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借地借家法

具体的にはかけないのですが、最近借地借家法と縁が多くて面白いです。
前期では原状回復についての発表担当でした。
今日の講義では少しだけ、賃料増減額請求が関係してました。
他にも何点かあって・・・。

借地借家法ってニガテ意識が強かったのですが、ちょっと仲良くなれた気がします。

さて、ある条文にからんで、かなり細かく判例を調べたりしたので、ちょっとまとめておこうかなと思います。

借地借家法28条(建物賃貸借契約の更新拒絶などの要件)
建物の賃貸人による第22条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申し入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

30条(強行規定)
この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。



これは、更新拒絶に正当事由をもとめ、またその正当事由の判断基準を明示した規定です。
おそらく、借地借家法の立法趣旨から、借家関係は更新されることが原則で、拒絶することは許されないけれども、かといって所有者が別の事に使いたいのに借主がいすわってなにもできないのではバランスが悪いので定められている規定と考えられます。

それを考慮に入れて各要件を具体的に考えていきます。

1、建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情
この要件が基本的な判断基準になります。
・賃貸人の建物の使用を必要とする事情として、実際に賃貸人がそこに住む必要が出てきた場合などが考えられます。
(例えば、2年間の長期海外出張のため、家を開けている間だけ貸していたけれども、出張が終わって帰ってきたので出て行って欲しいなど)
また、建物が老朽化して立て替えや全面的な補修工事をする必要がある場合なども含まれそうです。
(所有権の対象を管理保全することは、当然の権利だからです。)

判例では、開発計画の一環というのは認められていないみたいです。
ただ、貸主が、経済的理由から持ち家の売却をする必要があり、より高額で売るために借家人のいない状態にしたいというものでは、必要性が認められています。

・賃借人の建物の使用を必要とする事情としては、居住目的だとか、生業を営んでいる場合だと移動が難しいと考えられます。

2、建物の賃貸借に関する従前の経過
これは、契約自体や、その履行状況についての項目です。
解説書によると、権利金や更新料の授受があったか、家賃滞納などの債務不履行があったか、家賃の額が適正かなどがあげられています。
おそらく、判例で信頼関係がゆらぐような事を考慮に入れているのは、この項目についての検討だと思います。
例えば無断転貸は、それだけでは信頼破壊原則による解除事由にはならないとしても、更新拒絶の理由にはなりうるようです。
家賃の額については、たとえば不当に周囲の家賃相場よりも安い家賃で貸し続けなければならないとなれば、賃貸人に不利なので、そのような事情も考慮するのでしょう。
また何度か更新がされていたり、既に何十年も賃貸借が続いていた場合、将来にわたって更新が続けられるという期待が賃借人に生じますから、その様なことも考慮されると思われます。

また、更新料の授受は、更新料を払っていれば正当事由がない方向になりますが、更新料自体は契約の本質的要素ではないので、払っていないからといって、それだけで正当事由があることにはならないそうです。へんなの。

3、建物の利用状況
これは、1とも重なりますが、それに加えて、契約に定められた目的に従った使用をしているか、どれくらいの頻度で利用しているかなどが考慮されるようです。
たとえば住居用で貸していたのに、食堂として利用されていれば、建物の傷み方が全く違うので、更新したくないと賃貸人が考えるのは当然です。
また、男子禁制の女子寮に彼氏を連れ込んで住んでいた場合も、契約に定められた目的に従っていないので、更新拒絶が認められやすくなりそうです。
さらに、年に1度しか使っていなかったら、賃借人はその建物を必要としてはいなさそうなので、更新拒絶が認められやすいでしょう。

4、建物の現況
これも1と重なりますが、老朽化により建て替えなければならないのかどうかなどの事由です。

5、建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出

とっても長いですが、ひらたく言うと「立退料」を考慮するという意味です。
これは、1~4の事由があって、それでもちょっと微妙だなという時に、さらに立ち退き料まで払うって言ってたら更新拒絶を認めてあげますよ、という程度の規定なのだそうです。
(判例でだいたい固まってるようです。)
立ち退き料の認定については民事訴訟法上の論点があったような気がしますが、そこは華麗にスルーさせていただきます。

立退料がこのような補完的な要件になっているのは、借家人の居住を保護するためだと考えられているらしく、商売のための建物(例えばスーパーの建物とかオフィスビルなど)は、立退料を払ったら出て行ってもらえる可能性が高くなります。


更新拒絶の正当事由がなかったばあいの効果ですが、
正当事由が無かった場合は、家主が更新拒絶を明示的にした場合であっても、契約は更新したものとされます。

そして、正当事由が無くても更新拒絶ができるかのような特約は、30条によって無効になります。
ただし、従来存続している家屋の賃貸借について、一定の期限を設定し、その到来により賃貸借契約を解約するという期限付合意解約は、30条の潜脱ではないという判例があります。
(最判昭和31年10月9日)
この判例は、何十年か賃貸借をしていたのですが、建替えかなにかの必要があり、2年後に出て行ってくれという約束がされたのに、2年たっても出て行ってくれなかったという事案ですから、普通の更新拒絶とは場面が違うかもしれません。
なお解説としては、最高裁判所判例解説民事篇昭和31年度178頁はよく分からなかったけど、民商法雑誌35巻4号94頁は結構分かりやすかったです。法学協会雑誌75巻2号にも載っているので興味のある方は見てみてください。


なお、契約の目的に沿った利用かどうかの判断の際には、賃貸借契約書記載の事項が重視されると思われます。
また、通常の住宅でしたら、契約時に重要事項説明書の交付が義務付けられていますから、そちらにもなにか条件が書かれていないかなどに注意しましょう。
もちろん、何も書かれていなくても当事者同士の合意があるとされれば条件があったということになりますし、何か書かれていても無効になることもあります。


<参考文献>
本文に記載の物の他
賃貸住宅紛争の上手な対処法(第3版)
実務借地借家法
新借地借家法講座

なお本記事による損害については一切の責任を負いません。
ご自身の法的トラブルは、専門家にご相談になって解決してください。

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